不妊治療

不育症の原因・検査・治療

不育症、習慣流産

不育症、あるいは習慣流産は流産を繰り返す状態です。2回流産し児に恵まれない場合は反復流産、3回以上は習慣流産と呼ばれています。これらの原因、治療法について以下に説明します。

〈原因〉

①染色体異常
2回以上流産した夫婦の約5%に染色体異常がある言われています。夫婦ともに染色体を検査する必要があります。保険診療です。

②子宮の異常
子宮の内腔、つまり受精卵が着床し胎児が育つ場所に、子宮筋腫や内膜ポリープがあると流産しやすい場合があると言われています。子宮鏡で確認し、子宮鏡下で手術します。

③自己抗体
胎児の成分の半分は夫の一部です。そのため他人と認識し母体が拒絶してしまうことがあります。これは臓器移植の拒絶反応と似たような現象です。これにはいくつかの抗体が関与していると言われています。抗体とは体内にばい菌が侵入した場合にばい菌を殺す役目をするものです。この抗体が胎児に対して障害となり血栓(血液の固まり)が生じ流産すると言われています。当院では高リン脂質抗体(LAC、抗β2-GPI、抗カルジオリピンIgG、抗カルジオリピンIgM)、第12因子、抗核抗体を検査します。

④ホルモン検査
甲状腺ホルモン、プロラクチン、インスリンなどを調べます。これらのホルモンに異常があると流産を起こしやすいことがあります。

〈治療〉

①低用量アスピリンとヘパリン(自己注射)
就寝時に低用量アスピリンを1錠内服し、1日2回12時間ごとヘパリンを皮下注射し流産を防止する療法です。自費診療となります。低用量アスピリンのみの場合もあります。ただし、妊娠が判明した妊娠4週から服用と自己注射を始めます。妊娠以前から低用量アスピリンを服用すると妊娠成立しにくい状態を引き起こすこともあるからです。

②漢方とビタミン
当帰芍薬散はほとんどの患者様に服用していただいています。副作用も重大なものは殆どなく、妊娠中も問題ありません。ビタミンB6、B12、葉酸は流早産を予防する働きがあります。またメラトニンは胎盤を安定させる働きがあります。これらはできれば妊娠以前からの服用が望まれます。

③甲状腺ホルモン
TSH(甲状腺刺激ホルモン)が3.5μ/ml以上の場合はチラージンを服用していただきます。TSHが2.5μ/mi以下になるように調整します。

④子宮の病変
子宮内腔にできる子宮筋腫や内膜ポリープは、子宮の入り口から摘出できる場合が多いです。
ほとんどの場合は、お腹を切らずに手術可能です。