近年、再生医療として注目されているPRP療法の、
応用技術である「PFC-FD」を卵巣に注入する治療を始めました。
(PFC-FDの卵巣内投与)
そこで、今回は、PFC-FDとはどんな治療か、
PRP療法との違いは何かご説明します。
実は、PRP療法はとても幅が広く、
技術や治療内容には様々なものが存在します。
自分の血液から成長因子だけを取り除いて濃縮したものがPFC-FDです。
また、保存も効きます。(約6ヶ月)
一方、PRP療法は、
自分の血液を採取してそのまますぐ患部に注入します。
PRP療法は、成長因子以外も含まれます。
当院は、PRP療法を応用した技術である、
『PFC–FD』を卵巣に注入することで、
成長因子が卵巣を刺激して、
原始卵胞を育てる目的の治療を取り入れ、
開始しています。
ご希望の方は、診察の時にお気軽にお申し付けくださいませ。
卵巣の中で原始卵胞は卵胞へ育ち、
卵胞の中でも成熟して受精可能になった卵子をMⅡ卵と言います。
MⅡ卵のみが受精可能であり、
その後受精卵として発育して子宮内膜に着床します。
体外受精・顕微授精で採卵されるのは卵胞であり、
卵胞の中に包まれている卵子がMⅡ卵であると良いのですね。
そのため、原始卵胞を増やし、育てる事が重要となります。
受精可能な卵子のことをMⅡ卵と言います。
GV卵や、MⅡ卵は未熟卵と呼ばれ、受精は出来ません。
受精可能なMⅡ卵が確保できると、
妊娠・出産に繋がるわけですが、
MⅡ卵(卵胞)の大元は、原始卵胞です。
*卵胞とは:卵子を包んでいる袋のこと。
基本的に、当院の場合は、
ご希望の方はどなたでも治療する事が可能です。
特におすすめする方
・44歳以上
・AMHが低い・低反応の方
(ボローニアのクライテリア)
・早発閉経の方
以下の1〜3のうち、
2項目以上を満たす場合に、
ボローニアのクライテリアに当てはまります。
1、PORリスク因子がない。
PORリスク因子とは:卵巣の手術をした事がある場合や、
抗がん剤治療をした事のある場合、
ターナー症候群などの染色体異常の病気を持つ場合など
2、クロミッドやHMGなどの排卵誘発剤を使って、
採卵数を増やそうとしても、3個未満の採卵数となる。
3、AMHが0.5pg/ml 未満、
または、
生理1日目〜3日目に卵巣をエコー検査で見た時に、
胞状卵胞(小さい卵胞)が5〜7個未満である。
血液を採取します。
(血液検査と同じように採ります。)
血液から成長因子のみを取り除き、不要な物質は排除します。
この工程に約3週間かかります。
採卵周期など個人の治療のスケジュールに合わせて、
卵巣内に投与・注入します。